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Teamsのチャットや録画はいつまで残るか──保存期間が決まる仕組みと、消える条件

執筆者 Hornetsecurity / 05.11.2026 / ,

Teamsのチャットは、既定では、保持ポリシーや削除の操作がない限り、無期限に残ります。ただし、保持ポリシー、録画の有効期限、利用者の削除、チームやアカウントの削除という、別々の仕組みによって消えます。

本稿では、Teamsのデータがいつまで残り、どの条件で消えるのかを、データの種類ごとに整理します。保存期間は「残すための設定」ではなく、「消える条件」として理解することが、データを守る出発点になります。記載は本稿執筆時点(2026年10月)の仕様にもとづきます。

1. 結論:Teamsのデータの保存期間を決める4つの仕組み

Teamsのデータの保存期間は、データの種類ごとに、別々の仕組みで決まります。表1に全体を整理します。

データの種類既定の挙動消える条件削除・復元上の注意
チャット・チャネル投稿削除しない限り、無期限に保持される保持ポリシーの削除設定、利用者の削除利用者が戻す手段は限られる。保持ポリシーで削除する場合は、他の保持やホールドがなければ、期限後、通常1〜7日で隠しフォルダー(SubstrateHolds)へ移り、最低1日後の次の処理で完全削除される。それまでは、管理者がeDiscoveryで検索できる
会議の録画・文字起こし作成から120日で削除される(教育機関向けのライセンスでは、既定が異なる場合がある)有効期限、手動の削除、保持ポリシー保存先(OneDriveまたはSharePoint)のごみ箱の保持期間内なら復元できる
チーム(Microsoft 365グループ)削除しない限り残るチームの削除グループのリソースは、削除後30日保持される
退職者のアカウント―アカウントの削除保持ポリシーの対象なら、非アクティブなメールボックスとして保持される
表1 データの種類ごとの既定の挙動と、消える条件
出典:Microsoft Learn「Learn about retention for Microsoft Teams」ほか。詳細は2〜4章。

チャットとチャネル投稿は、既定でどう扱われるか

Microsoft Learnは、Teamsのチャット、チャネル、ファイルのデータは、保持ポリシー、利用者や管理者の削除などによる削除がない限り、無期限に保持されると説明しています。つまり、保持ポリシーを設定していない組織では、チャットは自動では消えません。なお、メールと、Teamsで使うファイルは、Teamsの保持ポリシーの対象に含まれません。共有ファイルは、OneDriveやSharePointの保持の設定で、別に扱います。

期間を決めているのは4つの別々の仕組み

保持ポリシー、録画の有効期限、利用者の削除、チーム・アカウントの削除。これら4つは、管理する画面も担当者も異なります。そのため、「Teamsの保存期間は何日か」という問いには、1つの数字では答えられません。どのデータが、どの仕組みで消えるのかを、分けて把握する必要があります。

2. チャットとチャネル投稿の保存期間──保持ポリシーの仕組み

チャットとチャネル投稿の期間は、管理者が設定する保持ポリシーで決まります。管理者向けの公式文書の内容を、利用者の問いに合わせて整理します。

保持ポリシーは「残す」と「消す」の両方を設定できる

Teamsの保持ポリシーでは、チャット、チャネルのメッセージ、プライベートチャネルのメッセージを削除の対象にできます。一方で、コードスニペット、モバイルで録音したボイスメモ、サムネイル、お知らせの画像、リアクションは、保持の対象になりません。動作は、保持のみ、削除のみ、保持してから削除の3つです。

動作期間中に利用者が編集・削除したメッセージそのまま残っているメッセージ
保持のみ元のメッセージが、隠しフォルダーに残る。期限後に、その保持コピーが完全削除される期限後も、元の場所に残る
削除のみ元のメッセージが隠しフォルダーへ移り、最終的に完全削除される期限後、Teamsの画面から消え、完全削除される
保持してから削除期間中は、隠しフォルダーに保持される。期限後に完全削除される期限後、Teamsの画面から消え、完全削除される
表2 保持ポリシーの3つの動作
出典:Microsoft Learn「Learn about retention for Microsoft Teams」をもとに整理。

なお、保持期間の短縮や、保持から削除への変更は、管理者が行えます。ただし、保持ロック(Preservation Lock)を使っていない場合に限ります。保持ロックを適用したポリシーは、グローバル管理者でも無効化、削除、制限の緩和ができません。

期限の起点と、画面から消えるまでの時差

保持ポリシーによる削除は、メッセージの作成時点を基準に、指定した期間が過ぎたものが対象です。期限が来ても、すぐには消えません。Exchangeのタイマージョブは、期限を過ぎたメッセージを通常1〜7日で隠しフォルダー(SubstrateHolds)へ移します。そのとき、削除の操作がTeamsの裏側のチャットサービスに伝わり、Teamsの画面から消えます。通信やキャッシュの遅れで、短い間は画面に残ることもあります。

完全に削除されるまでには、さらに時間がかかります。以上の流れは、他の保持ポリシーやホールドが競合しない場合のものです。メッセージは、隠しフォルダーに最低1日は残り、その後、次のタイマーの実行で完全に削除されます。Microsoftは、1日で削除する設定でも、完全に削除されるまでに16日かかることがあるという例を示しています。

保持ポリシーの利用に必要なライセンス

保持ポリシーを利用するには、対象のユーザーに、適切なライセンスが必要です。機能ごとの対象プランは、Microsoft Purviewのサービス説明の、機能別のプラン表で確認してください。

利用者が削除したメッセージの行方

保持ポリシーがある場合、利用者が削除したメッセージは、Teamsの画面から消えても、隠しフォルダーに移るまでに21日かかります。隠しフォルダーに移ってから完全に削除されるまでは、管理者がeDiscoveryで検索できます。

3. 会議の録画と文字起こしの保存期間──既定120日

会議の録画は、既定では作成から120日で削除されます。チャットとは別の仕組みで、別の場所に保存されています。

有効期限の既定値と変更方法

Microsoftは、会議の録画は、既定では120日後に削除されると説明しています。録画と文字起こしは、同じ有効期限の設定の対象です。ただし、教育機関向けのライセンスでは、既定が異なる場合があります。管理者は、Teamsの会議ポリシーで、組織全体の既定値を変更できます。ただし、変更が適用されるのは、新しく作成される録画と文字起こしだけで、既存のものの期限は変わりません。設定値は、1日から99,999日の間で指定するか、PowerShellで無効にして期限をなくすことができます。また、録画ファイルの編集権限がある人は、OneDriveまたはSharePointで、期限を変更したり削除したりできます。録画を元の場所から移動すると、有効期限の設定はその録画に影響しなくなります。

期限が来た録画と文字起こしは、削除され、OneDriveまたはSharePointのごみ箱へ移動します。ファイルの所有者は、ごみ箱の保持期間内であれば復元できます。ただし、ごみ箱から完全に削除されると、Microsoft Purviewの保持ポリシーで保持されていない限り、復元できません。

有効期限はコンプライアンスのための機能ではない

Microsoft自身が、有効期限の機能は、古い録画を削除してストレージを節約するためのもので、コンプライアンス要件を満たすためのものではないと説明しています。録画を残す期間や削除の時期に要件がある場合は、SharePointのライブラリに保存し、Microsoft Purviewの保持ポリシーを適用することが推奨されています。

なお、保持ポリシーの対象は、録画の種類で異なります。チャネル会議の録画と文字起こしは、SharePointのファイルとして扱われます。一方、個人のチャットの会議の録画と文字起こしには、開催者のOneDriveアカウントを対象に含む保持ポリシーが必要です。

4. チームやアカウントを削除したときの保存期間

チームやアカウントを削除すると、関連するデータは、別の期限で消えていきます。

チーム(Microsoft 365グループ)を削除した場合:30日

チームは、Microsoft 365グループにもとづいています。グループに属するサイトを復元する場合、サイト以外のグループのリソースは30日間しか保持されず、サイトは93日間保持されると、Microsoftは説明しています。チーム全体を戻したい場合は、30日以内が目安になります。グループに属するSharePointサイト単体の復元期間は、これとは異なります(削除から93日)。

退職者のアカウントを削除した場合

Teamsのメッセージを保持する保持ポリシーの対象だったユーザーのメールボックスを削除すると、メールボックスは非アクティブなメールボックスに変換されて、Teamsのデータが保持されます。チャットのメッセージは、変換前に適用されていた保持ポリシーの対象のままです。保持ポリシーの対象でなかった場合は、この保持は働きません。

5. 保存期間の設定がデータを消した事例──厚生労働省のTeamsチャット消失

保存期間の設定は、1回の変更で、過去のデータ全体に及ぶことがあります。2026年6月に公表された、厚生労働省のTeamsチャット消失の事案は、その例です。ここでは、公表された事実だけを紹介します。

厚生労働省の発表によると、2026年4月25日、厚生労働省LANシステム内で、2023年1月4日から2025年10月29日までに作成されたTeamsチャット、共有ファイル、個人ファイルが、委託事業者の誤作業により削除されました。復元を指示したものの、行政文書にあたるものを含むチャットの一部は復元が困難であることがわかった、とされています。

原因について、委託事業者は、システム更改の作業のなかで、職員が削除したファイルなどを一時的に保存する領域の保存期間だけを見直す予定が、職員が通常利用する領域の保存期間も誤って設定してしまったと公表しています。

一方、厚生労働省は、チャットツールは基本的に定型的・日常的な業務連絡に使われているため、業務の遂行への影響は限定的と考えられること、また、データは完全に消去されているため、個人情報を含む情報が漏洩する可能性はないことも、あわせて公表しています。

この事案からいえるのは、保存期間の設定は、設定した範囲の過去のデータ全体に及び、誤ると取り返しがつかない場合がある、ということです。業務のチャットが、行政文書のように記録として扱われる場面があることも、示しています。

6. 必要なデータを確実に残すための考え方

残すべきデータは、保存期間の設定だけに頼らず、設定とは別の場所にもコピーを持つ、という考え方で守ります。

まず「何を・何年残すか」を決める

出発点は、設定ではなく要件です。業務や法令の要件から、どのチャットや録画を、何年残すのかを決め、それに合わせて保持ポリシーを設計します。録画は、有効期限ではなく、保持ポリシーで扱います(3章)。

保持ポリシーはバックアップではない

保持ポリシーは、同じテナントの中で、管理者の権限のもとで設定されます。保持ロックなどがない設定では、設定の誤りや、管理者権限の侵害の影響が、そのままデータに及びます。5章の事案は、設定の誤りの影響を示しています。

保存期間の設定から独立したコピーを持つ

Microsoftの標準の保持の仕組みとは別に、データを別の場所に複製しておく方法があります。たとえば、Hornetsecurity(ホーネットセキュリティ)の365 Total Backupは、Teamsのチャットを含むMicrosoft 365のデータを、Microsoftとは独立したHornetsecurityのデータセンターに保存します。なお、保持ポリシーの対象は、メールボックス、OneDrive、SharePointです。Teamsチャットは、削除されたユーザーやグループのデータを、一定期間後に消去する設定(パージ)の対象です。

7. よくある質問

Teamsのチャットは何日で消えますか?

既定では、消えません。保持ポリシーや削除の操作がない限り、無期限に保持されます。保持ポリシーで削除の設定をしている場合は、その期間が過ぎたものから、Teamsの画面から消えます。

Teamsの会議の録画はいつ消えますか?

一般的な会議の既定は、作成から120日です(教育機関向けのライセンスでは、既定が異なる場合があります)。削除された録画と文字起こしは、OneDriveまたはSharePointのごみ箱へ移り、ごみ箱の保持期間内なら復元できます。

保持ポリシーの期限が過ぎたメッセージは、すぐに消えますか?

すぐには消えません。期限を過ぎたメッセージは、通常1〜7日で、Teamsの画面から消えます。完全に削除されるまでには、さらに時間がかかります。以上の流れは、他の保持ポリシーやホールドが競合しない場合のものです。

削除してしまったチャットは戻せますか?

削除した直後であれば、Teamsの画面の[元に戻す]で、取り消せます。それを逃すと、利用者が元に戻せる、恒久的なごみ箱に相当する機能はありません。保持ポリシーで削除されたメッセージは、Teamsの画面へは復元できません。保持ポリシーの対象であれば、完全に削除されるまでは、管理者がeDiscoveryで検索できますが、これは、Teamsの会話へ戻す機能ではありません。

チームを削除するとデータはいつまで残りますか?

Microsoft 365グループのリソースは、削除から30日間保持されます。戻したい場合は、30日以内に対応してください。

8. まとめ

Teamsの保存期間は、保持ポリシー、録画の有効期限、利用者の削除、チーム・アカウントの削除という、別々の仕組みで決まります。チャットは既定では無期限に残りますが、設定や操作によって消え、録画は既定で120日、チームは削除後30日と、期限もそれぞれ異なります。

データを確実に残すための判断軸は2つです。まず、残す要件を決め、保持ポリシーを設計すること。そのうえで、保存期間の設定から独立したコピーを持つことです。

保存期間の設定から独立した場所に、コピーを持つ

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